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TOMOSとフェリーで渡る新島

<5月3日:雨模様>
朝目が覚めると、雨音が聞こえてきた。やっぱり雨になってしまった。
テントの中から様子を伺い、止み間に外で朝食を取った。昨日買ったパンをガスバーナーで暖め、トーストにして食べた。
東京から蜂蜜を持ってきていたので、つけて食べる。むちゃくちゃおいしぃ〜♪
トモちゃんは雨に濡れている。おかげで少しワイルドさが出てきたのではないだろうか。いいことだ!

雲の様子を伺いながら、町へ出かけた。雨は相変わらず降ったり止んだりしている。スコールみたいなものだろうか。昨日とは違うお店で昼食を取る。そこにはなぜか海上保安庁の資料集があり、珍しいのでチョット読んでみた。旗によって色々な意味があることやロケット砲の事など、なかなかトリビアな内容にしばしクギ付けになってしまった。

天気も曇りになり動き回れるようになったので、トモちゃんをひと拭きしてまた町探索をした。
まだハイシーズンではなかった為か、町が静かで寂しい雰囲気が漂っている。

人気がない町をひと通り巡り、観光マップで紹介されていたガラス美術館に行ってみた。
予想していた通り、人気が少ない。しばし館内に流されているビデオを鑑賞し、昨日とは別の温泉施設に行った。しっかりとした施設で、昨日のようにドキドキしながらシャワーを使わなくてもよい。露天風呂にゆったりとつかる頃には、日が射していた。太陽の光を浴びて漣がキラキラ輝いていてとても綺麗だった。
キャンプ場へ戻り、夕食を自炊する。少ない調味料と調理器具でやりくりする楽しさ♪ご飯がうまく炊けるかどうかでさえハラハラする。キャンプって面白いなぁ〜この日は、とても穏やかな夜だったので、キャンプ場の近くの浜辺へ夜の散歩をした。
波の音は、ずっと聞いていても飽きない。お月様が綺麗に出ていて、夜だけどとても明るかった。

<5月4日:嵐>
ものすごい風の音で目覚める。昨晩の静けさがウソのようだ。そしてなんだか外が賑やかである。
外を見ると、半分以上の人たちがテントを畳んでいる。みんな帰るようだ。程なくしてみんな港に行ってしまった。ガランとするキャンプ場はとても寂しく、昼間なのになんだか怖い場所になってしまった。

朝食を取り、キャンパー達の見送りがてら港に向かう。とにかく横っ風が凄い。自転車の彼があまりにも可哀想なので、私の背負っているリュックに手を掛けさせて、バイクで引っ張る事にした。「快適快適〜♪」と彼。でも私は彼の体重+強風による付加がかかり、リュックの紐で首を締められているような状態になり、結構しんどかった。

船を見送って、新島資料館へ向かう。そこで島の浜辺の砂が3種類あるということを知った。
これはすべて実際に見てみないと!ということになり、早速移動することにした。まず、資料館の近くの【本村前浜海水浴場】の砂を見てみる。白っぽい。続いて、キャンプ場近くの【羽伏浦海水浴場】へ行く。昨夜月明かりでも白っぽさが分ったが、明るいところで見ると、ホントに白い砂浜だ。そして広い!きれい♪
最後に若郷地区にある海岸へ。ここの砂は黒いらしい。ぜひ見てみたい!!

若郷地区に向かうには『平成新島トンネンル』という新しいトンネルを使わなければいけなかった。
しかし、そこは自転車立ち入り禁止の看板が掲げられていた。TOMOSの私はいけるけど、自転車に乗る彼は通れないということだ。トンネルの前で考え込む2人・・・その時「ガッ!」という音とともに、私のスネに激痛が走る。TOMOSがエンストした。気合でエンジンをかけてみるが掛からない。まさか!と思い、リザーブにしてエンジンをかけてみる。

・・・かかった。あれ?計算上はまだ走れるはずじゃない?トモちゃん!車体を振ってみる。
あっ、気づかなかったけど相当軽くなっている。ヤバイ!早急に給油せねば!
慌てて、でも燃費が掛からないように慎重に町に戻る。島には2ヶ所ガソリンスタンドがあった。いつでも給油できる。でも東京から2ストオイルを1回分しか持ってきていなかった。ヤバイ。帰れないかも…ものすごい不安になる。(ここでの教訓:2ストオイルは余分に持っていこう。)なんとかガソリンスタンドにたどり着き、3リットル入れてもらう。確か料金が525円掛かった。高い!

気を取り直して再びトンネル前まで行く。今思えばここで思いとどまっていればよかった・・・
人気も車もないに等しい状況が目の前に広がっていた。『行っちゃおっか!大丈夫でしょ!』彼がそう言って自転車をこぎだした。私も後に続く。あまり遅く走っていると燃費が悪くなりそうだと思って、時速40キロをキープすることにした。
相変わらず、彼は私のリュックに手を掛け、引っ張られている。私も掴まれ慣れたのか、うまい具合に引けるようになっていた。

想像よりも長いトンネルを抜けると、そこには人気のまったくない寂しい町が広がっていた。
まず浜辺へ向かう。風が強いせいか、波がものすごく高い。広がる砂浜は本当に黒かった。
空が曇ってきて、浜辺が黒くて、町が寂しい・・・なんともいえない気分になった。

とりあえず一休みするために、商店に入る。お茶を買って、お店の前に出るとその前をパトカーが一台通った。
まずい!自転車が見つかってしまった!その場を素通りするパトカー。彼はこのとき駐在さんと目が合ったらしい。「あぁ〜。自転車みつかっちゃったねぇ〜。きちんと謝っときなぁ。」と商店のオジサンに言われる。ごもっとも。言われなくてもそうします。すぐ動くのは危険だと思い、まっすぐ帰らず若郷地区内の探索した。見晴台を見つけ、しばし休憩する。何処もかしこも黒い。同じ島なのに不思議だなぁ。
すっかりパトカーのことを忘れて、トンネルへ向かう。すると入り口付近で待ち伏せしていたパトカーが登場した。
捕まった…私ではなく、彼が。「オマエ、日本語読めるだろ」等々散々怒られていた。が、特に罰金を取られることもなく事なきを得た。やはりトンネルを自転車で走ってはいけないということで、帰りは彼と自転車はパトカーでトンネルを抜けていく事になった。
渋谷あたりだったら、絶対に切符切られてるなぁ〜。と思いながら、パトカーの後をTOMOSで付いていく。トンネルの薄暗い中をパトカーのパトライトがキラキラ染めていた。その中に彼がいるのかと思うと、笑えてきた。
いい経験をしたなぁ、と思う。これも良い思い出・・・

これはなんと言う魚ですか<5月5日:再び・・・>
昨日は1日中風が止むことがなく、夜になって台風のような豪雨と風に見舞われ、
テントが飛ばされるのではないかと心配して、寝れないかもしれないと思っていた・・・が、熟睡していた。
目が覚めると、風はおさまっていた。気持ちのいい朝だ。いつものように「かじやベーカリー」のパンをほお張りながら、今日は何をするか計画を立てる。島の観光施設はほぼ回ってしまったので、海で釣りでもしようということになり、港に向かう。
天気は今ひとつで、相変わらず肌寒い。
港に着くと、地元の人たちが何やら釣っている。小物ばかりを釣っていた。どうやら漁師さんたちらしく、この魚達で他の魚を釣るようだ。私達も試しに釣ってみる。しかし、きちんと準備をしていなかった為、餌は魚肉ソーセージだったし、針も大きかったようで、全然釣れなかった。

寒さも限界にきてしまい、釣りを諦めて2日目に行った温泉施設に行く。そこの砂蒸し風呂に挑戦することにした。専用浴衣に着替え、蒸されること15分。冷えたからだが芯から温まって、とても気持ちよかった。

夕飯と朝食の買い物をして、キャンプ場へ戻ることにした。
町とキャンプ場を結ぶ道は1本しかなく、帰るためには必ず警察署の前を通らなければいけなかった。毎日、そこの前を通る時は自転車を引っ張ることを控えていた。この日もそうしていた。警察署の前をいつものように通り過ぎ、しばらく行ったところでバイクのスピードを緩め、自転車を引っ張り始めた、その時・・・

「はい、そこの2人左によりなさぁい。」という拡声器の声が後ろから聞こえてきた。ヤバイ!見つかった!!
無駄な抵抗は止めて、素直に歩道に止まる。すると「また、おまえ達かぁ〜」とどこかで聞いた声がした。
昨日のお巡りさんだ!駐在所に戻るところだったらしい。腐れ縁だ。
今日は、私がお咎めを受ける。交通安全違反だということ、ホントは罰金5,000円であるということ等の説教を受ける。
おまわりさん:「もうやらないな!」 私:「やれません!」。そんなこんなで罰金は払わなくて済んだ。
駐在さんは、メモを取りながら「南の方は行ったのか?」と話し掛けてきた。行ってないと伝えると、「向山に行った方がいいよ。景色が綺麗だから。」と教えてくれた。なんだ、いい人じゃないか。丁寧にあやまり、パトカーを見送った。振り返ると、私より彼のほうがションボリしてしまった。
この島では札付きのワルとなった我がTOMOS、この旅で色々な経験が出来て私もトモちゃんもワイルドになったような気がする。

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