山の上にある私の実家では、「プオー!プオー!」とエンジン音が聞こえます。
「ツインリンクもてぎ」を走る車から、山を一つ越えて畑に囲まれた田舎家の縁側に届きます。母に聞くと、自転車で15分もあれば着くとのこと。残暑厳しい8月の末に、私は前後にカゴの付いたフル装備の母のママチャリでサーキットに向かったのです。
ところが、予想以上にアップダウンの激しい山道は、エアーの甘いママチャリには死のロードに等しく、滝のような汗を流して30分かけてサーキットの入り口までたどり着きました。しかし、自転車用のゲートなどあるはずもなく、疲れと母への怒りにぼぅっとたたずむ私。すると料金所から、ウブそうな田舎ギャルが出てきて哀れむような目でこう言います。
「どこから来たんですか?」
「近所なんですけど、母に騙されて30分かけて自転車で来ました」と説明しようかどうか、説明しても分からないだろうなと思いつつも、「自転車で来る人いるんですか?」とだけ言ってしまった私。「たまにいます」とギャル。フルオプションのママチャリの隣で、大汗かいてる30男を余程哀れに思ったのでしょうか、「園内には、無料の移動バスがありますよ」とニッコリ。
かくして私は、速そうな車ばかりが並ぶ駐車場に愛車を突っ込んで、無料バスでサーキット内を見学するのでしたが、マイカーを持ったこともないばかりか、車にはまるで興味がない私は、すぐにどうしようか途方に暮れました。ほぼ100%がファミリー客の中、30男一人はとても怖がられます。私は逃げるように資料館「Honda
Collection Hall」へ向かうと、「スーパーカブワールド」という企画展が行われていました。そして、常設されているバイクの中に、MOPEDもいくつか見つけることができました。
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エントランスホールに展示されている「CUB F」は1952年製造。
価格は当時で25,000円。 |
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その向こうに見えるのは2005年型。 |
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フロントフェンダーには、「霸王」のエンブレム。日米富士自転車は、1899年に日米商店として創業。富士覇王号は昭和初期のブランド。(参考)
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赤と白の美しい配色。 |
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当時の販売促進用のポスター。
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スケベイスのようなメタリック感です。
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美勇伝。
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配達用。
Vogueの「la poste」は、このカブをヒントに生まれました(嘘です)。
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「自転車用補助エンジン」
ホンダ創立の2年前の1946年、本田宗一郎氏が戦後放出された旧軍用無線機の電源エンジンを利用した自転車用補助エンジン。
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「ホンダA型」
ホンダの名を付けた最初の独自設計の量産エンジンで既製の自転車に簡単に取り付けられ、1948年2月より1951年迄約3年間に渡り生産されたロングセラーモデル。
(参考)
こちらは、
少しタンクに気を使った感があります。
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いろんなものが引っ掛かりそうな反対側。スカートじゃ無理そうです。
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ダイムラー社の「ライトラート」は、1885年製。内燃機関を搭載した世界初の二輪車です。
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「リトルホンダ P25」
女性ユーザー向けに1966年発売。ペダル始動、リアホイール内にエンジンが搭載されています。 |
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「ピープル」
超小型の2サイクル・24ccエンジンを搭載。最高速度は18km/hのペダル始動です。 |
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「スーパーカブワールド」は来年1月22日まで開催されています。
日本だけでなく、アメリカやアジア仕様車を含めた数多くのカブが展示されています。 |
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